2025年 08月 20日
京都の風に吹かれて 今年の夏は竹久夢二特集・夢二、暮笛~絵入歌集~ を観る1
京都の風に吹かれて 今年の夏は竹久夢二特集・夢二、暮笛~絵入歌集~ を観る1
「京都の風に吹かれて」今年の夏は、竹久夢二の特集です。
大正5年(1916年)、夢二32歳、この年、夢二は現在の京都市東山区桝屋町(二寧坂)に転居して不二彦を養育していました。
夢二、至福のほんの2,3ヶ月の生活でした。
寓居跡の碑が、そこにあります。
・・翌年、彦乃も同居することになります。
「竹久夢二 寓居跡」の碑
【位置】京都市東山区桝屋町(二寧坂)
【交通】市バス・東山安井 徒歩、約10分。

本編は、夢二、暮笛~絵入歌集~、三陽堂書店、大正5年 を、画像は全て国立国会図書館蔵のものより、あくまで趣味的に観るものです。
本編(夢二絵入歌集)の初版は、大正5年12月13日です。


(*序 では、以下のような夢二の文面がある。)
序
この本は、先に出した「絵入歌集」を増補改版したものです。
ここに撰んだ歌は、遠く萬葉から近代にいたる各々の時代の作で、私の記臆(*記憶)に残っているものだけです。
作者の名も今は さだかに覚えぬほど昔に讀みおぼえたものもあるし、また人に知られずに散る名もない一少女の手紙のはしにあった野の花のやうな(*ような)作もある。
それにしても會て それ く(それぞれ)の時代に、私の心に共鳴しないものはないのです。
それゆえ、歌によせた繪(*絵)にも、平安朝の大宮人が洋傘をかざして銀座の街をゆくもあれば、洋服をきて寧楽の舊都(*旧都)をさまよふ(*さまよう)髪長き詩人もある。
この時代錯誤も私には きわめて自然です。
この本をよむ人に、この私の我儘な満足を許して貰ひ(*貰い)たい。
1916年11月25日
京都にて 夢二
*本編は、夢二の心に響いた歌を あくまで趣味的に観るものでもあります。
なので、以降、投稿者は、その出典を出来るだけ追いかけて見ることにしました。





*「一粒で二度おいしい」と云うCMがありますが、今回は、一度見で二度、楽しんでいただければ幸いです。
それでは・・
1・
ほそぼそと そこら こゝらに 虫のなく
昼の野にきて よむ手紙かな

2・
水をみて 流るゝ水を見て
ありぬ日は かくて ありもえしかど

3・
かの宵の 露台のことは ゆめひとに
いひたまふなと 言へる きみかな

4・
紫は 灰さすものぞ 椿市の
八十のちまたに 逢へる 子やたれ
*〈出典〉
万葉集 第12巻3101番
作者不詳
【意味】椿市の あの広場で出逢った女(ひと)は、
どこのどなたのであろうか。
*「紫は 灰さすものぞ」は、海石榴市(つばいち)の序詞で、海石榴市(つばいち)の海石榴(つばき)は椿のこと。

5・
悲しくも 母がまつゆえ 妹が
まつゆえ 家に今日も かへらむ

6・
身ごもると きヽて 悲しき妻 おもふ
無花果の實の 青き八月

7・
鳥とべば 君かとぞ おもひ 風ふかば
君かとぞ おもふ かなしき通ひ路

8・
なげけとて いまはた目白 僧園の
夕の鐘も なりいでにけむ
*〈出典〉
北原 白秋の名歌
【意味】目白の教会の夕方の鐘が鳴り出したが、今この鐘もまた、私に嘆きなさいと言って鳴り出したのであろうか。
そのように聞こえる・・

9・
まつり日や 見世物小屋の かたはらの
蚊帳釣草に ふる夏の雨

10・
花見れば 花のかはゆし つみてまし
つむとも何の なぐさめにせむ

京都の風に吹かれて 今年の夏は竹久夢二特集・夢二、暮笛~絵入歌集~ を観る2
に、続きます。

