2025年 08月 28日
京都の風に吹かれて 今年の夏は竹久夢二特集・夢二、暮笛~絵入歌集~ を観る9
京都の風に吹かれて 今年の夏は竹久夢二特集・夢二、暮笛~絵入歌集~ を観る9
「京都の風に吹かれて」今年の夏は、竹久夢二の特集です。
本編は、夢二、暮笛~絵入歌集~、三陽堂書店、大正5年 を、画像は全て国立国会図書館蔵のものより、あくまで趣味的に観るものです。
本編(夢二絵入歌集)の初版は、大正5年12月13日です。
*本編は、夢二の心に響いた歌を あくまで趣味的に観るものでもあります。
なので、投稿者は、その出典を出来るだけ追いかけて見ることにしました。
81・
筑波根の 峰の白雪 ありやなしや
さゃかに 雁の なきつれてゆく

82・
深川の 夏の夜 こひし 舟唄の
木の香に まじり 水のながるヽ

83・
泣きぬれて 今来しものを あはれとも
驚きもせで 相 見る人よ

84・
茜さす 紫野ゆき 標野ゆき
野守は みずや きみが袖ふる
*〈出典〉
万葉集 第1巻 20番
額田王(ぬかたのおおきみ)
【意味】茜色の紫草が生えている野原を、あちこちに行って、私に袖を振るなんて。
御料地(標野)の番人が見るではありませんか。
奈良県香芝市役所のすぐ南、総合体育館・駐車場前に歌碑がある。

85・
圓山の 椅子に凭りて あはれにも
娼婦あそぶ 春のゆふぐれ

86・
わが せこは せとのあさ川 かちわたり
菖蒲 荷ひて 都べにゆく

87・
厨女の 白き前掛 しみじみと
青葱の香の しみて 雪ふる
*〈出典〉
北原 白秋 春を待つ間 より
【意味】白い前掛けの廚女が調理を始め、しみじみと降る雪に、青葱の香が染みているようだ。

88・
橘の かげふむ路の 八衢に
ものをぞ おもふ 妹に逢はずて
*〈出典〉
万葉集 第2巻 125番
三方 沙弥 (みかたのさみ)
【意味】橘の蔭を踏む別れ道のように、あれこれと思ってしまうのです。
あなたに逢わないので・・
*八衢(やちまた)は、いくつも道が交叉している所、の意。
三方 沙弥は、園臣生羽(そののおみ いくは)の娘と婚姻したが、彼女がすぐに病に伏して通えなくなってしまったのであった。

89・
いつしかに 春の名残と なりにけり
昆布干場の たんぽヽの花
*〈出典〉
北原 白秋 「桐の花」より
*白秋一家は、大正2年5月から大正3年2月まで、妻・俊子の肺結核療養のために三崎に転居した、その頃の作品である。

90・
わが背子を 大和へやると 小夜ふけて
あかつき露に わがたちぬれし
*〈出典〉
万葉集 第2巻 105番
大伯 皇女 (おほくの ひめみこ)
【意味】あの子を大和へ送り返そうとして夜が更けて、暁の露に経ち濡れてしまった。
*わが背子は、実弟の大津皇子のことである。
背景に、万葉集に伝わる大津皇子事件(天武天皇の亡き後、皇位継承者のひとり・大津皇子が謀反の嫌疑を掛けられ、刑死した)がある。

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