2025年 09月 07日
京都の風に吹かれて 行方 水谿の「百合図譜」を観る2-3
本編は、並列タイトル「百合譜識」。
行方 水谿(なめかた すいけい)著 田島耕(出版社)、明治29年刊 の国立国会図書館蔵のものを、あくまで趣味的に観ていくものです。
*行方 水谿(なめかた すいけい)は、江戸後期に活躍した本草家であり、本書は明治6年(1873年)に執筆された百合に特化した植物画譜であり、ユリの葉や花弁の細部まで丁寧に描かれ、絵画としての美しさも兼ね備えているものです。
21・大百合 (おおゆり)
鹿子百合(かのこ ゆり)の一種。
大輪、6月、花を開く。
葉、茎ともに大なり。
これを江戸鹿子、又、大鹿子(おおかのこ)と云う。

22・翁百合 (おきな ゆり)
鹿子百合(かのこ ゆり)の一種に相、似て、5月末に白花を開く。
中薄赤色を帯びる。
今、朝鮮百合(ちょうせんゆり)と云う者、これなり。

夏這百合類
23・夏鍔百合 (なつすかし ゆり)
花戸(*植木屋)に多し。
今、處々、畑を作りて、處々へ出す苗の高さ 3、4寸(*3寸は9.09cm)、許り。
葉は鉄砲百合の如くにして短く、光沢あり。
夏、4、5月頃、花を開く。
内、淡紅赤色、中心、黄色、外、黄褐色。
形、萓草(かんそう)の花の如し。
この品類、甚だ多し。
その根、龍田百合の如し。

24・澤百合
前条(*夏鍔百合)の一種。
葉、少し細く、花に赤黒の星斑ある者なり。
又、「きようゆり」とも云う。

25・越州百合 (えちご ゆり)
前条(*澤百合)の一種。
星斑あり、4月頃、花を開く。
丹朱色なりて、灰暗色を帯びる者なり。

26・黄鍔百合
前条(*越州百合)の一種。
花、鬱金色(うこんいろ)、内、本黄星(もときほし)なり。
天(そら)へ向いて、6月、花を開く者なり。

27・金澤百合 (かなさわ ゆり)
前条(*黄鍔百合)の一種。
淡紅の者にして、5月、(*花を)開く者である。
淡紅色と云えども、やや淡朱色なり。

28・外濱百合 (そとばま ゆり)
前条(*金澤百合)の一種。
花色、萓草(かんそう)に似たり。無星。
3、4月、花を開く。
葉、細長くして、3、4寸(*3寸は9.09cm)なる者なり。

29・早鍔百合 (はやつば ゆり)
前条(*外濱百合)の一種。
花、赤色にして、天(そら)を向かう。
花弁、平にして、3月、花を開く。
葉も少し長し。龍田百合の如し。

30・石巖百合
前条(*早鍔百合)の一種。
花色、濃紅、5月、(花を)開く。
又、これを「てんもく ゆり」とも云うなり。

京都の風に吹かれて 行方 水谿の「百合図譜」を観る2-4 に続きます。

