2025年 09月 08日
京都の風に吹かれて 行方 水谿の「百合図譜」を観る2-4
京都の風に吹かれて 行方 水谿の「百合図譜」を観る2-4
本編は、並列タイトル「百合譜識」。
行方 水谿(なめかた すいけい)著 田島耕(出版社)、明治29年刊 の国立国会図書館蔵のものを、あくまで趣味的に観ていくものです。
31・春鍔百合 (はるすかし ゆり)
前条の一種、紅色鹿子より少なくして2、3尺(*2尺は60.6cm)に及ぶなり。

32・會津百合 (あいづ ゆり)
前条の一種、奥州・會津にて多く栽(う)へ、(*花は)赤色、4、5月、開く者なり。

33・帝百合 (みかど ゆり)
前条の一種で、(*花は)淡紫や白の二種あり。
4、5月頃、花を開くなり。
今、この品、絶えたり。

34・虎駁百合(とらふ ゆり)
前条の一種で、(*花は)黄色の虎斑なり。
今、この種、絶えたり。

35・天夜百合 (あまや ゆり)
前条の一種で、(*花は)朱紅色にして、黒星斑あり。
美なり。

36・二月百合 (きさらぎ ゆり)
前条の一種で、(*花の)中心は淡紅色を帯びる。
外は淡黄弁なる者なり。

37・阿蘇百合 (あそゆり)
前条の一種で、阿蘇山に多く出ず。
今は、京都に多し。
葉、短く、黄花にして、黒星、あり。
俗に黄金臺と称する者、これなり。

38・早良百合 (さがらゆり)
前条の一種で、形状は阿蘇百合に、相、似て、朱点ある者なり。
朱脈、裏に多し。

39・孔雀百合 (くじゃく ゆり)
前条の一種で、花は紅朱色にして、中心より小弁を生じる。
二重なり。
小弁は、白色にして、黒点あり。
夏鍔百合(なつすき ゆり)内の上品なる者なり。
今、俗に鳳凰閣(ほうおうかく)と称する者、これなり。

40・名越百合 (なごし ゆり)
前条の一種で、花は朱紅色なる者なり。
これ、俗に燭紅(しょくこう)と称する者、これなり。

京都の風に吹かれて 行方 水谿の「百合図譜」を観る2-5 に続きます。
2025年 09月 07日
京都の風に吹かれて 行方 水谿の「百合図譜」を観る2-3
本編は、並列タイトル「百合譜識」。
行方 水谿(なめかた すいけい)著 田島耕(出版社)、明治29年刊 の国立国会図書館蔵のものを、あくまで趣味的に観ていくものです。
*行方 水谿(なめかた すいけい)は、江戸後期に活躍した本草家であり、本書は明治6年(1873年)に執筆された百合に特化した植物画譜であり、ユリの葉や花弁の細部まで丁寧に描かれ、絵画としての美しさも兼ね備えているものです。
21・大百合 (おおゆり)
鹿子百合(かのこ ゆり)の一種。
大輪、6月、花を開く。
葉、茎ともに大なり。
これを江戸鹿子、又、大鹿子(おおかのこ)と云う。

22・翁百合 (おきな ゆり)
鹿子百合(かのこ ゆり)の一種に相、似て、5月末に白花を開く。
中薄赤色を帯びる。
今、朝鮮百合(ちょうせんゆり)と云う者、これなり。

夏這百合類
23・夏鍔百合 (なつすかし ゆり)
花戸(*植木屋)に多し。
今、處々、畑を作りて、處々へ出す苗の高さ 3、4寸(*3寸は9.09cm)、許り。
葉は鉄砲百合の如くにして短く、光沢あり。
夏、4、5月頃、花を開く。
内、淡紅赤色、中心、黄色、外、黄褐色。
形、萓草(かんそう)の花の如し。
この品類、甚だ多し。
その根、龍田百合の如し。

24・澤百合
前条(*夏鍔百合)の一種。
葉、少し細く、花に赤黒の星斑ある者なり。
又、「きようゆり」とも云う。

25・越州百合 (えちご ゆり)
前条(*澤百合)の一種。
星斑あり、4月頃、花を開く。
丹朱色なりて、灰暗色を帯びる者なり。

26・黄鍔百合
前条(*越州百合)の一種。
花、鬱金色(うこんいろ)、内、本黄星(もときほし)なり。
天(そら)へ向いて、6月、花を開く者なり。

27・金澤百合 (かなさわ ゆり)
前条(*黄鍔百合)の一種。
淡紅の者にして、5月、(*花を)開く者である。
淡紅色と云えども、やや淡朱色なり。

28・外濱百合 (そとばま ゆり)
前条(*金澤百合)の一種。
花色、萓草(かんそう)に似たり。無星。
3、4月、花を開く。
葉、細長くして、3、4寸(*3寸は9.09cm)なる者なり。

29・早鍔百合 (はやつば ゆり)
前条(*外濱百合)の一種。
花、赤色にして、天(そら)を向かう。
花弁、平にして、3月、花を開く。
葉も少し長し。龍田百合の如し。

30・石巖百合
前条(*早鍔百合)の一種。
花色、濃紅、5月、(花を)開く。
又、これを「てんもく ゆり」とも云うなり。

京都の風に吹かれて 行方 水谿の「百合図譜」を観る2-4 に続きます。
2025年 09月 06日
京都の風に吹かれて 行方 水谿の「百合図譜」を観る2-2
京都の風に吹かれて 行方 水谿の「百合図譜」を観る2-2
本編は、並列タイトル「百合譜識」。
行方 水谿(なめかた すいけい)著 田島耕(出版社)、明治29年刊 の国立国会図書館蔵のものを、あくまで趣味的に観ていくものです。
11・更級百合 (さらしな ゆり)
信州・更科山(さらしなやま)および園原(えはら)に産する。
前条の忍百合の白花なる者なり。
少し忍百合より大花なり。
蘂(しべ・*花の中のおしべ、めしべ)は、褐色にして、香気あり。
これ又、笹百合の一種なる者なり。
その根、至りて小なるものなり。

鉄砲筒咲類
12・麝香百合(じゃこうゆり)
今、諸州に多し。
茎、短くして花、中輪なり。
筒、咲きにして横へ向かい、白色にして、香気、甚だの故に麝香百合(じゃこうゆり)の名あり。
4月、花を開くなり。
又、琉球百合(りゅうきゅうゆり)又、鉄砲百合とも云う。
昔、琉球国より、この種を舶来せり、と云う伝へあり。
蘂(しべ・*花の中のおしべ、めしべ)は、茶褐色の紛を帯びる。
その後、象山貝母の如き実を結ぶ。
その根、山百合(やまゆり)の如し。

13・高砂百合 (たかさご ゆり)
麝香百合(じゃこうゆり)の一種。
葉、銀邉りなる者なり。
この種の初めは、武州・巣鴨村 花戸(*植木屋)長太郎 某(なにがし)が、この種を鬻ぎ
(ひさぎ・*売り)始めたり。
故に、今、世俗に長太郎百合と呼ぶ者、これなるべし。

14・銀邉百合 (つるだ ゆり)
これも麝香百合(じゃこうゆり)の一種。
葉、少し短く、円(まろ)なり。
葉の邉り(ほとり)は、細銀邉成る者なるが如し。
鶴田(つるだ)某(なにがし)と云う者、この種を世上の弘(ひろ)めたり。
故に、鶴田(つるだ)百合と云う。
長太郎百合より下品なる者なり。

15・為朝百合 (ためとも ゆり)
昔、八丈島より源 為朝(ためとも)、この種を持ち渡らし事から云うなり。
故にその名あり。
形は鉄砲百合の如く、葉、少し短く細し。
6月、土用中に黄花を開く。
内、淡黄色、外、淡褐色および黒斑あり、今は、世上に至りて少なし。

16・保百合 (たもつ ゆり)
琉球国に多し。
今は、處々(ところどころ)の花戸(*植木屋)にて育し(*育て)、鬻ぐ(ひさぐ・*売る)。
葉、光沢あり、白花にして、銀箔(ぎんはく)の如し。
大輪、天(そら)に向いて開く。
雨中、水、九分までたもち、故に名付ける。
その余、たまる時、水は一度にこぼれる。
今、誤りて、袂百合(たもと ゆり)と云う如し。

17・波堅百合 (はかた ゆり)
これも麝香百合(じゃこうゆり)の一種。
葉は、山百合の葉の如く、先は円(まろ)く、皺文(しんもん)、少しあり。
花は琉球百合の如し。
微し(すこし)紅色を帯びる。4、5月、花を開く。
香気あり、その根、麝香百合(じゃこうゆり)の如く。
但し、この種の根は、鞠子(まりこ)の白色なる者なれど、鉄砲百合の根と異なる如し。

18・鞠子百合(まりこゆり)
この物は、前条の波堅百合(はかた ゆり)の花薄紫にして、中輪なる者なり。

鹿子百合類
19・虎皮百合 (かのこ ゆり)
今、世上に多し。
葉は、油点草(ゆてんそう・*ほととぎすそう)の如し。
茎、卷丹(をにゆり)に似たり。
葉、対生にして光沢、あるいは三道(さんどう)なりて、玉簪葉(ぎぼしのは)に似て細し。
花は7月に至りて枝を茎頂(くきてい)に分かちて白花を開き白色、そこに紅を帯び、黒星ありて、巻丹(をにゆり)の如し。
しべ

20・雪山百合 (みねもどき ゆり)
虎皮百合 (かのこ ゆり)の白花なる者なり。
御薬苑雪山と云う者、これなり。

京都の風に吹かれて 行方 水谿の「百合図譜」を観る2-3 に続きます。
2025年 09月 05日
京都の風に吹かれて 行方 水谿の「百合図譜」を観る2-1
京都の風に吹かれて 行方 水谿の「百合図譜」を観る2-1
本編は、並列タイトル「百合譜識」。
行方 水谿(なめかた すいけい)著 田島耕(出版社)、明治29年刊 の国立国会図書館蔵のものを、あくまで趣味的に観ていくものです。
*行方 水谿(なめかた すいけい)は、江戸後期に活躍した本草家であり、本書は明治6年(1873年)に執筆された百合に特化した植物画譜であり、ユリの葉や花弁の細部まで丁寧に描かれ、絵画としての美しさも兼ね備えているものです。
笹百合類
01・高山百合 (たかやま ゆり)
飛州(ひしゅう・*飛騨の国の別称)高山に産する。
形状は筑波百合の如し。
花は少し大きく、又、苞(つぼみ)に淡紅色を帯びる。
筑波百合より紅色なり。
筑波百合の苞(つぼみ)の外に淡黄色を帯びるもとは異なる。

02・濱百合 (はまゆり)
京師(*京都)に多し。
葉は早百合(さゆり)の如し。
花は十分に開かずして、微し(すこし)半天(なかばそら)に向く。
色、淡青にして淡紅紫色の帯あり。
6月、土用中に花を開く。
葉、笹百合より少し短く、円(まろ)し。
その根、笹百合と同じ。

03・竹林寺百合
摂州・竹林寺山中に稀にあり。
早百合(さゆり)の一種。
細葉にして、5月に花を開く。
筒本(つつもと)および苞(つぼみ)の外、淡黄色なり。
花弁は尖(とげ)り、緑筋にして、心中、黄色半ば(なかば)上は、紅色中央は、白色成る者なり。
至って美なり。

04・城州百合 (くらま ゆり)
城州(じょうしゅう・*山城国の別名)鞍馬山中に産する。
苗の高さ5、6寸許り。
細葉にして紫班あり、茎にもあり、5月中に花を開く。
形、早百合の如し。
淡黄色に紅絞(べにしぼり)あり。
世上に至って、少なし。
これ又、笹百合の一種なり。

05・蓮花百合 (れんか ゆり)
城州(じょうしゅう・*山城国の別名)朝日山および嵐山などに産する。
笹百合の一種。
淡緑色にして紫斑あり。
葉、至って細く、綬草葉に似て長し。
4、5月頃、白色で細弁の花を開く。
弁の辺りは、淡紅色で中心が白色になり、外咢にて淡黄色を帯び、久しく日を見ず、弁先は褐色に腐す。
その根、早百合の如し。

06・黒駒百合 (くろこま ゆり)
甲州・黒駒山に産する。
早百合の一種。 葉、細く、蘭葉の如く深緑色。
4、5月、茎頭に枝又を分けて、花を開く。
中心は黄筋にして、桃紅色なり。
弁辺りは、白色なり。
苞(つぼみ)、外弁で淡黄色を帯びる。
今、このもの少なし。

07・源氏百合 (みたけ ゆり)
相州・御嶽山(みたけざん)および源氏山中などに産する。
前条の黒駒百合葉の如く深緑色なり。
葉、四方へ互生し、4、5月、茎頭に枝又を分かち、白花が開く。
中心に黄筋あり。
苞(つぼみ)、外にて淡黄色を帯びる。
按じるに(あんじるに・*思うに)、早百合の黄筋なる者なる如し。

08・紅笹百合 (ちちぶ ゆり)
武州・秩父山中に稀に産する。
笹百合の一種。
茎に紫斑あり、葉、細く韮葉(にらは)の如し。
4月頃、茎に、1、2花を開く。
形状、早百合の如し。
但し、紅色にして紅脈筋ある事、絞り(しぼり)の如し。
外弁辺りに褐色を生じる。
これ又、笹百合の上品なる者なり。

09・江州百合 (みかみ ゆり)
江州・比良山(ひらさん)および三上山中に産する。
苗葉、細く、長し。
皺紋(しわもん)あり、茎に紫斑あり、5月、花を開く。
弁辺りは白色で、外弁茎も淡緑色なり。
これ又、早百合の絞りなる者なり。

10・忍百合
奥州・磐手山および浅香山などに産する。
形、百合の如く、葉、山百合にも取れり。
5月頃、弁細の淡紅花を開く。
形、笹百合に似て、弁、明らかなり。
外(そと)、淡黄色を帯び、苞(つぼみ)は、淡緑色なる者なり。

京都の風に吹かれて 行方 水谿の「百合図譜」を観る2-2 に続きます。
2025年 09月 04日
京都の風に吹かれて 行方 水谿の「百合図譜」を観る1-5
京都の風に吹かれて 行方 水谿の「百合図譜」を観る1-5
本編は、並列タイトル「百合譜識」。
行方 水谿(なめかた すいけい)著 田島耕(出版社)、明治29年刊 の国立国会図書館蔵のものを、あくまで趣味的に観ていくものです。
36・吉野百合 (よしのゆり)
和州(わしゅう・*大和の国の異称)、吉野に多し。
葉、狭く、長さ4、5尺(4尺は約121.2cm) 。
茎色、黒く、青にして鹿子(かのこ)百合の如し。
又、巻丹(をにゆり)より太く、花色、白くして、鹿子少なし。
花底は、微し(すこし)青く、輪は4月頃に花を開きて、5、6月にて閉じるなり。

37・天香百合 (やまと ゆり)
これも和州(わしゅう・*大和の国の異称)、金峯山中に産する。
このものを前条の白花で星点鹿子なき者なり。
これに二種あり。
花の内、黄筋黄星なる者なり。
無地は少なく、三種あり、少なくとも今は、黄筋の者は黄筋、少なくと称し、次の条に出る黄星なる者を左(*下)に記す。

38・黄點百合 (きてんゆり)
これも同所で、稀に有り。
前条の白花弁中の黄星點、班在る者なり。
今、世上に少なし。
星無黄筋(ほしなしきすじ)の者を左(*下)に記すであろう。
この類は、至って稀なるなり。

39・白鷗百合 (きすじ ゆり)
今、花戸(*植木屋)に多く育する。
苗は、高さ7、8尺(*7尺は約212.1cm) 許り。
葉は山百合の如し。
又、紅筋に似て、6月、土用中に白花を開く。
中心、黄筋なり。星なし。雪白色で、香気、甚だし。
今、世上にこれは稀にあり、前条の黄筋なる者であろう。

40・八丈百合 (きぼし ゆり)
八丈島および豆州七島の中、小笠原島、大島、三宅島に産し、葉は波堅百合(はろうゆり)の葉に似て、尖り(とがり)、深緑色にて、厚く、光沢あり。
高さ7、8尺(*7尺は約212.1cm)で、6月、土用中に花が開く。
白色に淡黄色を帯びる故に「ハチゼウユリ(*ハチジョウユリ)」又、「オホシマユリ(*オオシマユリ)」などと云う。
まさしく、その根は、鹿子百合(かのこゆり)ににて、淡黄色なり。

41・信州百合 (しなの ゆり)
信州山中に稀に産し、葉・形は早百合(さゆり)に似て、細長し。
5月下旬に白花を開く。
中心より紅の筋ありて星なき故に、信州紅筋(べじすじ)と云うなり。
今は、この品、少なし。

42・紅花紅筋百合
稀に産し、葉、山百合(やまゆり)の如し。
花は山百合の如し。
但し、6月、土用中に紅色の花を開く。
花中に紅筋(べにすじ)あり。
今は、このもの、至りて少なし。
その根、笹百合(ささゆり)と同じく、異なる事なし。

43・鳴川百合
河州(かしゅう・*河内の国の別名)鳴川山(なるかわさん)に産する。
高さ7、8尺(*7尺は約212.1cm)許り。
葉・花ともに山百合の如し。
但し、山百合の紅色中心の黄酢になる者なり。
今、この種は花戸(植木屋)に稀にある。
即ち(すなわち)、山百合の紅花なる者なり。

笹百合類
44・笹葉百合 (ささゆり)
奥州南部および仙台および信州、その他の山中にあり。
苗の高さ2、3尺(*2尺は約60.6cm)許り。
葉は竹葉に似て少し小さく短し。
葉、細く、紫色で、4、5月、茎頂に枝又を分かちて、白花が開く。
形、鉄砲百合の如し。
この種類は、甚だ多し。
その根は、山百合の如し。

45・秋笹百合 (あきざさ ゆり)
深山に産する。
葉・茎ともに春笹百合に同じ。
このものは、7月、花を開く。
白色にして、中に黄筋(きすじ)ありて紅紫の星ありて、横に向いて開く。
今は、この類、なお多し。
常の者は、4、5月、花を開く。
このものは、8月、花を開く者なり。

46・紅邉百合
これも笹百合の一種。
細長くして筋あり。
3月、淡紫緑、淡紅の花を開く。
葉、至って細く、茎に紫斑あり、総して笹百合の事を花戸(植木屋)にて早百合(さゆり)と呼ぶなり。

47・天下百合 (あまがした ゆり)
信州山中、南部にありて、茎高さ7、8寸(*7寸は21.21cm) 許り。
葉は笹百合の如し。淡緑色なり。
6月、土用中に、あるいは、4、5月頃より、山によりて早く花を開く。
白色、淡緑筋が花中にあり、横に向き、あるいは天(そら)を向きて開く事である。

48・相州百合 (かまくら ゆり)
笹百合の一種。
相州・鎌倉辺り、小田原山中に産する。
2月中旬頃、苗葉、盛んなり。
葉・茎ともに常に笹百合の如く、茎は抽んする事、高さ、3寸許り、あるいは4、5寸。
(*3寸は9.09cm)
茎頭に枝又に分かちて花を開く。
白花、淡紅色を帯びるなり。

49・常州百合
常州・筑波山に産する。
春、苗葉を生じる。
葉は至って細く長し。
4、5月、白花を開く。
弁の中心より粉紅色を帯び、苞(つぼみ)咢の開く少し前は淡黄色。
弁外に帯びる花の形は、笹百合の如し。
これも又、笹百合の一種なり。

京都の風に吹かれて 行方 水谿の「百合図譜」を観る2-1 に続きます。

