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京都の風に吹かれて 行方 水谿の「百合図譜」を観る2-4


本編は、並列タイトル「百合譜識」。

行方 水谿(なめかた すいけい)  田島耕(出版社)、明治29年刊 の国立国会図書館蔵のものを、あくまで趣味的に観ていくものです。



31・春鍔百合 (はるすかし ゆり)

前条の一種、紅色鹿子より少なくして2、3尺(*2尺は60.6cm)に及ぶなり。

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32・會津百合 (あいづ ゆり)

前条の一種、奥州・會津にて多く栽(う)へ、(*花は)赤色、4、5月、開く者なり。

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33・帝百合 (みかど ゆり)

前条の一種で、(*花は)淡紫や白の二種あり。

4、5月頃、花を開くなり。

今、この品、絶えたり。

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34・虎駁百合(とらふ ゆり)

前条の一種で、(*花は)黄色の虎斑なり。

今、この種、絶えたり。

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35・天夜百合 (あまや ゆり)

前条の一種で、(*花は)朱紅色にして、黒星斑あり。

美なり。

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36・二月百合 (きさらぎ ゆり)

前条の一種で、(*花の)中心は淡紅色を帯びる。

外は淡黄弁なる者なり。

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37・阿蘇百合 (あそゆり)

前条の一種で、阿蘇山に多く出ず。

今は、京都に多し。

葉、短く、黄花にして、黒星、あり。

俗に黄金臺と称する者、これなり。

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38・早良百合 (さがらゆり)

前条の一種で、形状は阿蘇百合に、相、似て、朱点ある者なり。

朱脈、裏に多し。

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39・孔雀百合 (くじゃく ゆり)

前条の一種で、花は紅朱色にして、中心より小弁を生じる。

二重なり。

小弁は、白色にして、黒点あり。

夏鍔百合(なつすき ゆり)内の上品なる者なり。

今、俗に鳳凰閣(ほうおうかく)と称する者、これなり。

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40・名越百合 (なごし ゆり)

前条の一種で、花は朱紅色なる者なり。

これ、俗に燭紅(しょくこう)と称する者、これなり。

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京都の風に吹かれて 行方 水谿の「百合図譜」を観る2-5 に続きます。





# by kyotoshiryo | 2025-09-08 18:52 | Comments(0)

京都の風に吹かれて 行方 水谿の「百合図譜」を観る2-3


本編は、並列タイトル「百合譜識」。

行方 水谿(なめかた すいけい)  田島耕(出版社)、明治29年刊 の国立国会図書館蔵のものを、あくまで趣味的に観ていくものです。


*行方 水谿(なめかた すいけい)は、江戸後期に活躍した本草家であり、本書は明治6年(1873)に執筆された百合に特化した植物画譜であり、ユリの葉や花弁の細部まで丁寧に描かれ絵画としての美しさも兼ね備えているものです。



21・大百合 (おおゆり)

鹿子百合(かのこ ゆり)の一種。

大輪、6月、花を開く。

葉、茎ともに大なり。

これを江戸鹿子、又、大鹿子(おおかのこ)と云う。

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22・翁百合 (おきな ゆり)

鹿子百合(かのこ ゆり)の一種に相、似て、5月末に白花を開く。

中薄赤色を帯びる。

今、朝鮮百合(ちょうせんゆり)と云う者、これなり。

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夏這百合類

23・夏鍔百合 (なつすかし ゆり)

花戸(*植木屋)に多し。

今、處々、畑を作りて、處々へ出す苗の高さ 3、4寸(*3寸は9.09cm)、許り。

葉は鉄砲百合の如くにして短く、光沢あり。

夏、4、5月頃、花を開く。

内、淡紅赤色、中心、黄色、外、黄褐色。

形、萓草(かんそう)の花の如し。

この品類、甚だ多し。

その根、龍田百合の如し。

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24・澤百合

前条(*夏鍔百合)の一種。

葉、少し細く、花に赤黒の星斑ある者なり。

又、「きようゆり」とも云う。

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25・越州百合 (えちご ゆり)

前条(*澤百合)の一種。

星斑あり、4月頃、花を開く。

丹朱色なりて、灰暗色を帯びる者なり。

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26・黄鍔百合

前条(*越州百合)の一種。

花、鬱金色(うこんいろ)、内、本黄星(もときほし)なり。

天(そら)へ向いて、6月、花を開く者なり。

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27・金澤百合 (かなさわ ゆり)

前条(*黄鍔百合)の一種。

淡紅の者にして、5月、(*花を)開く者である。

淡紅色と云えども、やや淡朱色なり。

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28・外濱百合 (そとばま ゆり)

前条(*金澤百合)の一種。

花色、萓草(かんそう)に似たり。無星。

3、4月、花を開く。

葉、細長くして、3、4寸(*3寸は9.09cm)なる者なり。

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29・早鍔百合 (はやつば ゆり)

前条(*外濱百合)の一種。

花、赤色にして、天(そら)を向かう。

花弁、平にして、3月、花を開く。

葉も少し長し。龍田百合の如し。

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30・石巖百合

前条(*早鍔百合)の一種。

花色、濃紅、5月、(花を)開く。

又、これを「てんもく ゆり」とも云うなり。

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京都の風に吹かれて 行方 水谿の「百合図譜」を観る2-4 に続きます。






# by kyotoshiryo | 2025-09-07 18:49 | Comments(0)

京都の風に吹かれて 行方 水谿の「百合図譜」を観る2-2


本編は、並列タイトル「百合譜識」。

行方 水谿(なめかた すいけい)  田島耕(出版社)、明治29年刊 の国立国会図書館蔵のものを、あくまで趣味的に観ていくものです。


11・更級百合 (さらしな ゆり)

信州・更科山(さらしなやま)および園原(えはら)に産する。

前条の忍百合の白花なる者なり。

少し忍百合より大花なり。

蘂(しべ・*花の中のおしべ、めしべ)は、褐色にして、香気あり。

これ又、笹百合の一種なる者なり。

その根、至りて小なるものなり。

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鉄砲筒咲類

12・麝香百合(じゃこうゆり)

今、諸州に多し。

茎、短くして花、中輪なり。

筒、咲きにして横へ向かい、白色にして、香気、甚だの故に麝香百合(じゃこうゆり)の名あり。

4月、花を開くなり。

又、琉球百合(りゅうきゅうゆり)又、鉄砲百合とも云う。

昔、琉球国より、この種を舶来せり、と云う伝へあり。

蘂(しべ・*花の中のおしべ、めしべ)は、茶褐色の紛を帯びる。

その後、象山貝母の如き実を結ぶ。

その根、山百合(やまゆり)の如し。

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13・高砂百合 (たかさご ゆり)

麝香百合(じゃこうゆり)の一種。

葉、銀邉りなる者なり。

この種の初めは、武州・巣鴨村 花戸(*植木屋)長太郎 某(なにがし)が、この種を鬻ぎ

(ひさぎ・*売り)始めたり。

故に、今、世俗に長太郎百合と呼ぶ者、これなるべし。

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14・銀邉百合 (つるだ ゆり)

これも麝香百合(じゃこうゆり)の一種。

葉、少し短く、円(まろ)なり。

葉の邉り(ほとり)は、細銀邉成る者なるが如し。

鶴田(つるだ)某(なにがし)と云う者、この種を世上の弘(ひろ)めたり。

故に、鶴田(つるだ)百合と云う。

長太郎百合より下品なる者なり。

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15・為朝百合 (ためとも ゆり)

昔、八丈島より源 為朝(ためとも)、この種を持ち渡らし事から云うなり。

故にその名あり。

形は鉄砲百合の如く、葉、少し短く細し。

6月、土用中に黄花を開く。

内、淡黄色、外、淡褐色および黒斑あり、今は、世上に至りて少なし。

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16・保百合 (たもつ ゆり)

琉球国に多し。

今は、處々(ところどころ)の花戸(*植木屋)にて育し(*育て)、鬻ぐ(ひさぐ・*売る)。

葉、光沢あり、白花にして、銀箔(ぎんはく)の如し。

大輪、天(そら)に向いて開く。

雨中、水、九分までたもち、故に名付ける。

その余、たまる時、水は一度にこぼれる。

今、誤りて、袂百合(たもと ゆり)と云う如し。

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17・波堅百合 (はかた ゆり)

これも麝香百合(じゃこうゆり)の一種。

葉は、山百合の葉の如く、先は円(まろ)く、皺文(しんもん)、少しあり。

花は琉球百合の如し。

微し(すこし)紅色を帯びる。4、5月、花を開く。

香気あり、その根、麝香百合(じゃこうゆり)の如く。

但し、この種の根は、鞠子(まりこ)の白色なる者なれど、鉄砲百合の根と異なる如し。

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18・鞠子百合(まりこゆり)

この物は、前条の波堅百合(はかた ゆり)の花薄紫にして、中輪なる者なり。

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鹿子百合類

19・虎皮百合 (かのこ ゆり)

今、世上に多し。

葉は、油点草(ゆてんそう・*ほととぎすそう)の如し。

茎、卷丹(をにゆり)に似たり。

葉、対生にして光沢、あるいは三道(さんどう)なりて、玉簪葉(ぎぼしのは)に似て細し。

花は7月に至りて枝を茎頂(くきてい)に分かちて白花を開き白色、そこに紅を帯び、黒星ありて、巻丹(をにゆり)の如し。

しべ

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20・雪山百合 (みねもどき ゆり)

虎皮百合 (かのこ ゆり)の白花なる者なり。

御薬苑雪山と云う者、これなり。

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京都の風に吹かれて 行方 水谿の「百合図譜」を観る2-3 に続きます。






# by kyotoshiryo | 2025-09-06 19:00 | Comments(0)

京都の風に吹かれて 行方 水谿の「百合図譜」を観る2-1


本編は、並列タイトル「百合譜識」。

行方 水谿(なめかた すいけい)  田島耕(出版社)、明治29年刊 の国立国会図書館蔵のものを、あくまで趣味的に観ていくものです。


*行方 水谿(なめかた すいけい)は、江戸後期に活躍した本草家であり、本書は明治6年(1873)に執筆された百合に特化した植物画譜であり、ユリの葉や花弁の細部まで丁寧に描かれ絵画としての美しさも兼ね備えているものです。


笹百合類

01・高山百合 (たかやま ゆり)

飛州(ひしゅう・*飛騨の国の別称)高山に産する。

形状は筑波百合の如し。

花は少し大きく、又、苞(つぼみ)に淡紅色を帯びる。

筑波百合より紅色なり。

筑波百合の苞(つぼみ)の外に淡黄色を帯びるもとは異なる。

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02・濱百合 (はまゆり)

京師(*京都)に多し。

葉は早百合(さゆり)の如し。

花は十分に開かずして、微し(すこし)半天(なかばそら)に向く。

色、淡青にして淡紅紫色の帯あり。

6月、土用中に花を開く。

葉、笹百合より少し短く、円(まろ)し。

その根、笹百合と同じ。

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03・竹林寺百合

摂州・竹林寺山中に稀にあり。

早百合(さゆり)の一種。

細葉にして、5月に花を開く。

筒本(つつもと)および苞(つぼみ)の外、淡黄色なり。

花弁は尖(とげ)り、緑筋にして、心中、黄色半ば(なかば)上は、紅色中央は、白色成る者なり。

至って美なり。

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04・城州百合 (くらま ゆり)

城州(じょうしゅう・*山城国の別名)鞍馬山中に産する。

苗の高さ5、6寸許り。

細葉にして紫班あり、茎にもあり、5月中に花を開く。

形、早百合の如し。

淡黄色に紅絞(べにしぼり)あり。

世上に至って、少なし。

これ又、笹百合の一種なり。

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05・蓮花百合 (れんか ゆり)

城州(じょうしゅう・*山城国の別名)朝日山および嵐山などに産する。

笹百合の一種。

淡緑色にして紫斑あり。

葉、至って細く、綬草葉に似て長し。

4、5月頃、白色で細弁の花を開く。

弁の辺りは、淡紅色で中心が白色になり、外咢にて淡黄色を帯び、久しく日を見ず、弁先は褐色に腐す。

その根、早百合の如し。

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06・黒駒百合 (くろこま ゆり)

甲州・黒駒山に産する。

早百合の一種。 葉、細く、蘭葉の如く深緑色。

4、5月、茎頭に枝又を分けて、花を開く。

中心は黄筋にして、桃紅色なり。

弁辺りは、白色なり。

苞(つぼみ)、外弁で淡黄色を帯びる。

今、このもの少なし。

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07・源氏百合 (みたけ ゆり)

相州・御嶽山(みたけざん)および源氏山中などに産する。

前条の黒駒百合葉の如く深緑色なり。

葉、四方へ互生し、4、5月、茎頭に枝又を分かち、白花が開く。

中心に黄筋あり。

苞(つぼみ)、外にて淡黄色を帯びる。

按じるに(あんじるに・*思うに)、早百合の黄筋なる者なる如し。

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08・紅笹百合 (ちちぶ ゆり)

武州・秩父山中に稀に産する。

笹百合の一種。

茎に紫斑あり、葉、細く韮葉(にらは)の如し。

4月頃、茎に、1、2花を開く。

形状、早百合の如し。

但し、紅色にして紅脈筋ある事、絞り(しぼり)の如し。

外弁辺りに褐色を生じる。

これ又、笹百合の上品なる者なり。

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09・江州百合 (みかみ ゆり)

江州・比良山(ひらさん)および三上山中に産する。

苗葉、細く、長し。

皺紋(しわもん)あり、茎に紫斑あり、5月、花を開く。

弁辺りは白色で、外弁茎も淡緑色なり。

これ又、早百合の絞りなる者なり。

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10・忍百合

奥州・磐手山および浅香山などに産する。

形、百合の如く、葉、山百合にも取れり。

5月頃、弁細の淡紅花を開く。

形、笹百合に似て、弁、明らかなり。

外(そと)、淡黄色を帯び、苞(つぼみ)は、淡緑色なる者なり。

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京都の風に吹かれて 行方 水谿の「百合図譜」を観る2-2 に続きます。






# by kyotoshiryo | 2025-09-05 19:02 | Comments(0)

京都の風に吹かれて 行方 水谿の「百合図譜」を観る1-5


本編は、並列タイトル「百合譜識」。

行方 水谿(なめかた すいけい)  田島耕(出版社)、明治29年刊 の国立国会図書館蔵のものを、あくまで趣味的に観ていくものです。



36・吉野百合 (よしのゆり)

和州(わしゅう・*大和の国の異称)、吉野に多し。

葉、狭く、長さ4、5尺(4尺は約121.2cm) 。

茎色、黒く、青にして鹿子(かのこ)百合の如し。

又、巻丹(をにゆり)より太く、花色、白くして、鹿子少なし。

花底は、微し(すこし)青く、輪は4月頃に花を開きて、5、6月にて閉じるなり。

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37・天香百合 (やまと ゆり)

これも和州(わしゅう・*大和の国の異称)、金峯山中に産する。

このものを前条の白花で星点鹿子なき者なり。

これに二種あり。

花の内、黄筋黄星なる者なり。

無地は少なく、三種あり、少なくとも今は、黄筋の者は黄筋、少なくと称し、次の条に出る黄星なる者を左(*下)に記す。

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38・黄點百合 (きてんゆり)

これも同所で、稀に有り。

前条の白花弁中の黄星點、班在る者なり。

今、世上に少なし。

星無黄筋(ほしなしきすじ)の者を左(*下)に記すであろう。

この類は、至って稀なるなり。

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39・白鷗百合 (きすじ ゆり)

今、花戸(*植木屋)に多く育する。

苗は、高さ7、8尺(*7尺は約212.1cm) 許り。

葉は山百合の如し。

又、紅筋に似て、6月、土用中に白花を開く。

中心、黄筋なり。星なし。雪白色で、香気、甚だし。

今、世上にこれは稀にあり、前条の黄筋なる者であろう。

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40・八丈百合 (きぼし ゆり)

八丈島および豆州七島の中、小笠原島、大島、三宅島に産し、葉は波堅百合(はろうゆり)の葉に似て、尖り(とがり)、深緑色にて、厚く、光沢あり。

高さ7、8尺(*7尺は約212.1cm)で、6月、土用中に花が開く。

白色に淡黄色を帯びる故に「ハチゼウユリ(*ハチジョウユリ)」又、「オホシマユリ(*オオシマユリ)」などと云う。

まさしく、その根は、鹿子百合(かのこゆり)ににて、淡黄色なり。

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41・信州百合 (しなの ゆり)

信州山中に稀に産し、葉・形は早百合(さゆり)に似て、細長し。

5月下旬に白花を開く。

中心より紅の筋ありて星なき故に、信州紅筋(べじすじ)と云うなり。

今は、この品、少なし。

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42・紅花紅筋百合

稀に産し、葉、山百合(やまゆり)の如し。

花は山百合の如し。

但し、6月、土用中に紅色の花を開く。

花中に紅筋(べにすじ)あり。

今は、このもの、至りて少なし。

その根、笹百合(ささゆり)と同じく、異なる事なし。

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43・鳴川百合

河州(かしゅう・*河内の国の別名)鳴川山(なるかわさん)に産する。

高さ7、8尺(*7尺は約212.1cm)許り。

葉・花ともに山百合の如し。

但し、山百合の紅色中心の黄酢になる者なり。

今、この種は花戸(植木屋)に稀にある。

即ち(すなわち)、山百合の紅花なる者なり。

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笹百合類

44・笹葉百合 (ささゆり)

奥州南部および仙台および信州、その他の山中にあり。

苗の高さ2、3尺(*2尺は約60.6cm)許り。

葉は竹葉に似て少し小さく短し。

葉、細く、紫色で、4、5月、茎頂に枝又を分かちて、白花が開く。

形、鉄砲百合の如し。

この種類は、甚だ多し。

その根は、山百合の如し。

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45・秋笹百合 (あきざさ ゆり)

深山に産する。

葉・茎ともに春笹百合に同じ。

このものは、7月、花を開く。

白色にして、中に黄筋(きすじ)ありて紅紫の星ありて、横に向いて開く。

今は、この類、なお多し。

常の者は、4、5月、花を開く。

このものは、8月、花を開く者なり。

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46・紅邉百合

これも笹百合の一種。

細長くして筋あり。

3月、淡紫緑、淡紅の花を開く。

葉、至って細く、茎に紫斑あり、総して笹百合の事を花戸(植木屋)にて早百合(さゆり)と呼ぶなり。

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47・天下百合 (あまがした ゆり)

信州山中、南部にありて、茎高さ7、8寸(*7寸は21.21cm) 許り。

葉は笹百合の如し。淡緑色なり。

6月、土用中に、あるいは、4、5月頃より、山によりて早く花を開く。

白色、淡緑筋が花中にあり、横に向き、あるいは天(そら)を向きて開く事である。

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48・相州百合 (かまくら ゆり)

笹百合の一種。

相州・鎌倉辺り、小田原山中に産する。

2月中旬頃、苗葉、盛んなり。

葉・茎ともに常に笹百合の如く、茎は抽んする事、高さ、3寸許り、あるいは4、5寸。

*3寸は9.09cm)

茎頭に枝又に分かちて花を開く。

白花、淡紅色を帯びるなり。

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49・常州百合

常州・筑波山に産する。

春、苗葉を生じる。

葉は至って細く長し。

4、5月、白花を開く。

弁の中心より粉紅色を帯び、苞(つぼみ)咢の開く少し前は淡黄色。

弁外に帯びる花の形は、笹百合の如し。

これも又、笹百合の一種なり。

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京都の風に吹かれて 行方 水谿の「百合図譜」を観る2-1 に続きます。






# by kyotoshiryo | 2025-09-04 19:09 | Comments(0)