2025年 08月 24日
京都の風に吹かれて 今年の夏は竹久夢二特集・夢二、暮笛~絵入歌集~ を観る5
京都の風に吹かれて 今年の夏は竹久夢二特集・夢二、暮笛~絵入歌集~ を観る5
「京都の風に吹かれて」今年の夏は、竹久夢二の特集です。
本編は、夢二、暮笛~絵入歌集~、三陽堂書店、大正5年 を、画像は全て国立国会図書館蔵のものより、あくまで趣味的に観るものです。
本編(夢二絵入歌集)の初版は、大正5年12月13日です。
*本編は、夢二の心に響いた歌を あくまで趣味的に観るものでもあります。
なので、投稿者は、その出典を出来るだけ追いかけて見ることにしました。
41・
かたく手に 抱けば死をも 辞しがたき
心とぞなる 人のかなしも

42・
道のべの いちしの花の いちじろく
人みな しりぬ わがこひづまは
*〈出典〉
万葉集 第11巻2480番
柿本 人麻呂
【意味】道ばたの いちしの花が目立つ如く、私の恋しい妻のことが皆に知れてしまった。
いちじろく⇒ いちしろく(*はっきりとの意)
いちし と いちしろく を掛けて詠んでいる。

43・
今をかも 萌ゆるか ふたりし きてねし
その丘のへの いとし若草

44・
ほのぼのと 野のうすみどり うつるなり
君が化粧の 春の鏡に

45・
ありし日の 少女のごとき 眼して
なぜに 今宵は むかへくるヽや

46・
ねもごろに 片思ひすれ このころの
わがこヽろの 生けりともなき
*〈出典〉
万葉集 第11巻2525番
作者不詳
【意味】あれこれ思い、片思いに思い悩むせいで、我が心は、生きているように思われません。

47・
ゆるしたまへ 月にあはれを さそはれし
夏のひと夜の たはむりなりしを

48・
夏の帯 いさごのうへに ながながと
ときて かこちぬ 身さへ ほそると
*〈出典〉
・吉井 勇、歌集「酒寿」(明治43年)所収。
後、渡辺 与平(宮崎 与平)ヨヘイ画集 にも掲載されている。
渡辺 与平は、夢二のライバルと言われた早逝の画家で、明治44年に妻・ふみ子を画いた油彩「帯」が、平成24年秋、長崎県美術館で初めてお披露目された。
【意味】つらい恋も、帯のように細長く続き、哀しみで身も細ってしまいました。

49・
なにかしら かぞへて 折りし手の指の
握りしまヽに 哀し かりける

50・
あはれまた ねむりたまふや たまさかに
逢ふ夜は わけて 短きものを

京都の風に吹かれて 今年の夏は竹久夢二特集・夢二、暮笛~絵入歌集~ を観る6 に、続きます。
2025年 08月 23日
京都の風に吹かれて 今年の夏は竹久夢二特集・夢二、暮笛~絵入歌集~ を観る4
京都の風に吹かれて 今年の夏は竹久夢二特集・夢二、暮笛~絵入歌集~ を観る4
「京都の風に吹かれて」今年の夏は、竹久夢二の特集です。
本編は、夢二、暮笛~絵入歌集~、三陽堂書店、大正5年 を、画像は全て国立国会図書館蔵のものより、あくまで趣味的に観るものです。
本編(夢二絵入歌集)の初版は、大正5年12月13日です。
*本編は、夢二の心に響いた歌を あくまで趣味的に観るものでもあります。
なので、投稿者は、その出典を出来るだけ追いかけて見ることにしました。
31・
うつせみの つねの言葉と おもへども
つぎてし きけば 心は なぎて
*〈出典〉
万葉集 第12巻2961番
作者 不詳
【意味】世間の外交辞令とは思うのですが、続いて聞かされると、もしかしてと、心が乱れます。

32・
桐の花 ことにかはゆき 半玉の
泣かまほしさに あゆむ雨かな
*〈出典〉
北原 白秋
「桐の花」 第五章「薄明の時」第三十首 小題「浅き浮名」より

33・
春の夜の 夢ばかりなる 手枕に
かひなく たヽむ 名こそ をしけれ
*〈出典〉
周防内侍 「小倉百人一首 67番」
【意味】春の夜の儚い夢のような戯れの手枕をして頂きました。
そのためか、つまらなく立つ浮き名が口惜しく思われます。

34・
すくすくと おひたつ麦に 腹すりて
燕 とびくる 春の山畑
*〈出典〉
橘 曙覧(たちばなのあけみ)
『志濃夫廼歌集(しのぶのやかしゅう)』(1878年) より
「春よみける歌の中に」と詞書にある。

35・
春の月 縁の雨戸の おもからば
逢はでかへらむ 歌うたへきみ

36・
わすれじの ゆく末までは かたけれど
今日をかぎりの 命ともかな
*〈出典〉
儀同三司母(54番)
『新古今集』恋・1149 より
儀同三司母は、高階 貴子のことで、
かたけれど、は、難しいの意。

37・
君おもうふ あまた男の そのなかの
この櫛挽と おもへば 哀しも

38・
越えもせむ 越さずもあらん 逢坂の
関守ならぬ ひとなとがめそ
*〈出典〉
和泉 式部、「和泉式部集(第二)」より。
【意味】男女の逢瀬の関を越える者もあれば、越えない者もある。
関守でもないのに、とがめ立てしないで・・

39・
その人も ないて わかれた この人も
ないて別れる 夏柳かな

40・
うらがなし 帰りて君が 父のまへ
いふ いひわけの おぼつかなしも

京都の風に吹かれて 今年の夏は竹久夢二特集・夢二、暮笛~絵入歌集~ を観る5 に、続きます。
2025年 08月 22日
京都の風に吹かれて 今年の夏は竹久夢二特集・夢二、暮笛~絵入歌集~ を観る3
京都の風に吹かれて 今年の夏は竹久夢二特集・夢二、暮笛~絵入歌集~ を観る3
「京都の風に吹かれて」今年の夏は、竹久夢二の特集です。
本編は、夢二、暮笛~絵入歌集~、三陽堂書店、大正5年 を、画像は全て国立国会図書館蔵のものより、あくまで趣味的に観るものです。
本編(夢二絵入歌集)の初版は、大正5年12月13日です。
*本編は、夢二の心に響いた歌を あくまで趣味的に観るものでもあります。
なので、投稿者は、その出典を出来るだけ追いかけて見ることにしました。
21・
朝なさな 草のへしろく 露のけなば
ともにと いひし 君はも
*〈出典〉
万葉集 第12巻3041番
作者 不詳
【意味】朝な朝(さ)な草に降りていた白露が、はかなく消えていくようなこの命。
消える時は共に、と言って下さったのは、あなたでしたね。

22・
ゆく水に 赤き日のさし 水ぐるま
春の川瀬に やまず めぐるも
*〈出典〉
北原白秋の句

23・
わが屋戸の 夕陰草の白露の
けぬがにもと なおも ほゆるかも
*〈出典〉
万葉集 第4巻594番
笠女郎(かさのいらつめ)
【意味】我が家の夕映えの中に光る草の白露のように、消えてしまいそうなほど心切なく思われます。
笠女郎が大伴 家持に贈りし、二十四首の相聞歌の一首。

24・
たらちねの 母が呼ぶ名を まをさめど
道ゆきびとを 誰と 知りてか
*〈出典〉
万葉集 第12巻3102番
作者 不詳
【意味】お母さんが呼ぶ名を申し上げてもいいのですが、行きずりの誰かとも分からぬ人なので・・

25・
いまはたヾ 橋の鈴のみ なつかしき
雪の戸なれば 馬にむちうつ

26・
はたらかば 機嫌も なほるかと
針とりあげて 涙 ぬぐへり

27・
頬につたふ 涙のごはず 一握の
砂をしめしゝ ひとをわすれず
*〈出典〉
石川 啄木 第一歌集「一握の砂」
(第一部・我を愛する歌)より
明治43年(1910年)12月 刊行の歌集。

28・
惜しめども 春のかぎりの 今日の日の
夕暮にさへ なりにけるかな
*〈出典〉
伊勢物語 第4部91段 「惜しめども」より
【意味】
惜しんでも 春の最後の 今日の日も もう夕暮れに なってしまった。
その心は、まだ月が残っている。
まだまだ、終わらず。

29・
はかなき露のほどに きえてまし
玉となりけんか ひもなき身を

30・
いつしかに 浅き うき名も たちけらし
浮世新道 夏のたそがれ

京都の風に吹かれて 今年の夏は竹久夢二特集・夢二、暮笛~絵入歌集~ を観る4 に、続きます。
2025年 08月 21日
京都の風に吹かれて 今年の夏は竹久夢二特集・夢二、暮笛~絵入歌集~ を観る2
京都の風に吹かれて 今年の夏は竹久夢二特集・夢二、暮笛~絵入歌集~ を観る2
「京都の風に吹かれて」今年の夏は、竹久夢二の特集です。
本編は、夢二、暮笛~絵入歌集~、三陽堂書店、大正5年 を、画像は全て国立国会図書館蔵のものより、あくまで趣味的に観るものです。
本編(夢二絵入歌集)の初版は、大正5年12月13日です。
*本編は、夢二の心に響いた歌を あくまで趣味的に観るものでもあります。
なので、投稿者は、その出典を出来るだけ追いかけて見ることにしました。
11・
黄昏の よりどころなき魂か
柳のかげを 蝙蝠のとぶ

12・
片手なき 人形ひとつ まろびぬる
木のかげ青き 子供部屋かな

13・
春の海 さして船ゆく 山陰の
名もなき港 昼の鐘なる

14・
夕ぐれの とりあつめたる 靄のうち
しづかに人の 泣く音 きこゆる
*〈出典〉
作詞・北原 白秋
【意味】夕暮れ時には気分も沈み、泣けてくる時も、あるかもしれませんね。

15・
問ふまヽに 死ぬる薬を おしへやる
生きて かいなき 夜の女に

16・
おほかたの あはれをしるに おつれとも
涙は きみに かけてこそ おもへ

17・
晩秋の 波止場の道に こぼれたる
豆を さびしみ かへる たそがれ

18・
戸なひきそ 戸の面に 今し ゆく
春のかなしさ みてりこよ 何か泣く
*〈出典〉
若山 牧水、歌集「海の声」より
(初版出版・1908年7月)

19・
港入り 娼家の壁が 落日に
かがやけるこそ かなしかりけり

20・
いつはしも 戀ひぬ時とは あらねども
ゆふかたまけて 戀は すべなし
*〈出典〉
万葉集 第11巻 2373番
作者:柿本人麻呂歌集 より
【意味】何時と云って、恋しくないと云う時はないけれども、夕暮れがやってくると、やるせなくてたまりません。

京都の風に吹かれて 今年の夏は竹久夢二特集・夢二、暮笛~絵入歌集~ を観る3 に、続きます。
2025年 08月 20日
京都の風に吹かれて 今年の夏は竹久夢二特集・夢二、暮笛~絵入歌集~ を観る1
京都の風に吹かれて 今年の夏は竹久夢二特集・夢二、暮笛~絵入歌集~ を観る1
「京都の風に吹かれて」今年の夏は、竹久夢二の特集です。
大正5年(1916年)、夢二32歳、この年、夢二は現在の京都市東山区桝屋町(二寧坂)に転居して不二彦を養育していました。
夢二、至福のほんの2,3ヶ月の生活でした。
寓居跡の碑が、そこにあります。
・・翌年、彦乃も同居することになります。
「竹久夢二 寓居跡」の碑
【位置】京都市東山区桝屋町(二寧坂)
【交通】市バス・東山安井 徒歩、約10分。

本編は、夢二、暮笛~絵入歌集~、三陽堂書店、大正5年 を、画像は全て国立国会図書館蔵のものより、あくまで趣味的に観るものです。
本編(夢二絵入歌集)の初版は、大正5年12月13日です。


(*序 では、以下のような夢二の文面がある。)
序
この本は、先に出した「絵入歌集」を増補改版したものです。
ここに撰んだ歌は、遠く萬葉から近代にいたる各々の時代の作で、私の記臆(*記憶)に残っているものだけです。
作者の名も今は さだかに覚えぬほど昔に讀みおぼえたものもあるし、また人に知られずに散る名もない一少女の手紙のはしにあった野の花のやうな(*ような)作もある。
それにしても會て それ く(それぞれ)の時代に、私の心に共鳴しないものはないのです。
それゆえ、歌によせた繪(*絵)にも、平安朝の大宮人が洋傘をかざして銀座の街をゆくもあれば、洋服をきて寧楽の舊都(*旧都)をさまよふ(*さまよう)髪長き詩人もある。
この時代錯誤も私には きわめて自然です。
この本をよむ人に、この私の我儘な満足を許して貰ひ(*貰い)たい。
1916年11月25日
京都にて 夢二
*本編は、夢二の心に響いた歌を あくまで趣味的に観るものでもあります。
なので、以降、投稿者は、その出典を出来るだけ追いかけて見ることにしました。





*「一粒で二度おいしい」と云うCMがありますが、今回は、一度見で二度、楽しんでいただければ幸いです。
それでは・・
1・
ほそぼそと そこら こゝらに 虫のなく
昼の野にきて よむ手紙かな

2・
水をみて 流るゝ水を見て
ありぬ日は かくて ありもえしかど

3・
かの宵の 露台のことは ゆめひとに
いひたまふなと 言へる きみかな

4・
紫は 灰さすものぞ 椿市の
八十のちまたに 逢へる 子やたれ
*〈出典〉
万葉集 第12巻3101番
作者不詳
【意味】椿市の あの広場で出逢った女(ひと)は、
どこのどなたのであろうか。
*「紫は 灰さすものぞ」は、海石榴市(つばいち)の序詞で、海石榴市(つばいち)の海石榴(つばき)は椿のこと。

5・
悲しくも 母がまつゆえ 妹が
まつゆえ 家に今日も かへらむ

6・
身ごもると きヽて 悲しき妻 おもふ
無花果の實の 青き八月

7・
鳥とべば 君かとぞ おもひ 風ふかば
君かとぞ おもふ かなしき通ひ路

8・
なげけとて いまはた目白 僧園の
夕の鐘も なりいでにけむ
*〈出典〉
北原 白秋の名歌
【意味】目白の教会の夕方の鐘が鳴り出したが、今この鐘もまた、私に嘆きなさいと言って鳴り出したのであろうか。
そのように聞こえる・・

9・
まつり日や 見世物小屋の かたはらの
蚊帳釣草に ふる夏の雨

10・
花見れば 花のかはゆし つみてまし
つむとも何の なぐさめにせむ

京都の風に吹かれて 今年の夏は竹久夢二特集・夢二、暮笛~絵入歌集~ を観る2
に、続きます。

