2025年 10月 17日
明治の廣重・小林清親の光線画を観る 清親画帖1-3
明治の廣重・小林清親の光線画を観る 清親画帖1-3
本編は、明治期の浮世絵師・小林 清親(こばやし きよちか)の江戸から東京への変遷の様子を版画(光線画)で描いた作品、これを国立国会図書館蔵(NDLイメージバンク)のものより、あくまで趣味的に観ていくものです。
清親画帖 第1帙 1-30(明治9年~12年)
清親画帖1 より
21・東京兩國百本杭曉之図

22・元柳橋兩國遠景

23・江戸橋夕暮富士

24・堀切花菖蒲

25・亀戸梅屋敷

26・道灌山夕日暮

27・三ッ又永代橋遠景

28・隅田川夜

山高帽にステッキ、その最初。
山高帽の最初は、1873年(明治6年)に政府高官や財界人で流行し始めました。
ステッキの最初は、1863年江戸時代に幕府がフランスに派遣した使節団のパリでの記念写真と言われています。(国立国会図書館HP「開国文化史料大観」より)
そして、老人のみか、1886年(明治17年)ごろには、アクセサリーとして、若者も持ち歩き始めます。
この翌年、1885年(明治18年)には、三府(東京・京都・大阪)五港の公務員は、必ず洋服を着用との通達が、ありました。
29・御城内釣橋之図

30・一石橋夕景

京都の風に吹かれて
明治の廣重・小林清親の光線画を観る 清親画帖2-1 に続きます。
2025年 10月 16日
明治の廣重・小林清親の光線画を観る 清親画帖1-2
明治の廣重・小林清親の光線画を観る 清親画帖1-2
本編は、明治期の浮世絵師・小林 清親(こばやし きよちか)の江戸から東京への変遷の様子を版画(光線画)で描いた作品、これを国立国会図書館蔵(NDLイメージバンク)のものより、あくまで趣味的に観ていくものです。
清親画帖 第1帙 1-30(明治9年~12年)
清親画帖1 より
11・池の端弁天

12・駿賀町雪

13・小梅曳舟通雪景

14・上野東照宮積雪之図

15・上野公園内之景

16・川口鍋釜製造図

17・川口善光寺雨晴

18・高輪牛町朧月景

19・品川海上眺望図

20・湯島元聖堂之景

京都の風に吹かれて
明治の廣重・小林清親の光線画を観る 清親画帖1-3 に続きます。
2025年 10月 15日
明治の廣重・小林清親の光線画を観る 清親画帖1-1
明治の廣重・小林清親の光線画を観る 清親画帖1-1
本編は、明治期の浮世絵師・小林 清親(こばやし きよちか)の江戸から東京への変遷の様子を版画(光線画)で描いた作品、これを国立国会図書館蔵(NDLイメージバンク)のものより、あくまで趣味的に観ていくものです。
清親画帖 第1帙 1-30(明治9年~12年)

激動の幕末の終焉後、幕末に活躍した勤王の志士たちも、明治10年頃には殆ど、姿を消して世は、欧米諸国を模範とした国内の近代が早急に進められました。
特に都市景観を一変させていったものに、それまでものとは代わり、ガス燃料の燃焼による照明であるガス灯の出現がありました。
日本で最初に西洋式ガス灯が灯されたのは明治4年で、これは現・大阪市造幣局周辺においてであり、往時に使用されたガス灯の器具は造幣局内に現存しています。
造幣局創業当時(明治4年)のガス灯
(クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下で 利用可のものより。
ライセンスされているものより。)

これを契機に東京(江戸)においても当時市中にガス灯が灯りはじめ、出典は明らかでないが、人々は光が線条をなすのことに気づいたために「光線」という言葉が流行した、と云われています。
そして、明治9年8月31日付で版元である大黒屋・松木平吉から「光線画」と名付けられた作品「東京新大橋雨中図」など5点が驚くほど売れた以降、明治14年夏には、清親は風景画を描くことがあっても、光線画風には描かず、その制作を中止したのでした。
この光線画の特色は、光と影、光の揺らぎ、色彩の変化を細やかに写実的に捉えた木版による西洋画とも云う点にありますが、大げさに云えば、日本近代化の歴史と芸術のハーモニーのひとつが誕生し、謳歌された時期でのものでありました。
清親画帖1 より
清親画帖1 の細目(帙の裏側にある)

01・(東京銀座日報社)

02・(二重橋前乗馬圖)

03・東京橋塲渡黄昏景

04・海運橋(第一銀行雪)

05・(柳島日没)

06・(上野公園画家写生図)

07・(兩国雪中・元兩國廣小路)

08・浅草田甫太郎稻荷

09・梅若神社

10・滝の川の図

京都の風に吹かれて
明治の廣重・小林清親の光線画を観る 清親画帖1-2 に続きます。
2025年 10月 14日
立てば芍薬・・・明治期の名品・芍薬花譜 を観る 2
立てば芍薬・・・明治期の名品・芍薬花譜 を観る 2
本篇は、多種多用な芍薬を精巧な彩色で木版画で描かれた賀集久太郎編「芍薬花譜」を、国立国会図書館蔵のものより、あくまで趣味的に観ていくものです。
出版は、著名な京都園芸店の朝暘園で、明治31年に刊行されました。
立てば芍薬・・・明治期の名品・芍薬花譜 を観る 2
の続き。
図11・花筏(はないかだ)
*意味・花びらを筏に見立てての水面に浮ぶ風情。
図12・九重(ここのへ)
*意味・幾重に重なる花びらの美しさ。

図13・千代鏡(ちよかがみ)
*意味・三種の神器を想起させる厳かさ。
図14・倭三階(やまとさんがい)
*意味・古代日本の趣ある三段咲き。

図15・三室錦(みむろにしき)
*意味・三室山の紅葉が龍田川を彩る豪華さ。
図16・鏡岩(かがみいわ)
*意味・磨かれた岩肌のような しなやかさ。

図17・安養海(あんようかい)
*意味・安養浄土に咲く花の如し。
図18・神楽獅子(かぐらしし)
*意味・獅子舞のような荘厳な躍動美をもって。

図19・錦の褥(にしきのしとね)
*意味・古風な敷物の高貴な佇まい。
図20・獅子遊(ししあそび)
*意味・獅子舞の躍動感の美しさ。

図21・青柳染(あおやぎぞめ)
*意味・平安時代の重色目に由来。
図22・王宮殿(ぎょくきゅうでん)
*意味・広大豪華な建物に似た荘厳さ。

図23・小花絞(こばなしぼり)
*意味・小花を絞り込んだような優しい美しさ。
図24・初鴉(はつからす)
*意味・清々しさと生命感を感じて。

奥付

京都の風に吹かれて 次回に続きます。
2025年 10月 14日
立てば芍薬・・・明治期の名品・芍薬花譜 を観る 1
立てば芍薬・・・明治期の名品・芍薬花譜 を観る 1
本篇は、多種多用な芍薬を精巧な彩色で木版画で描かれた賀集久太郎編「芍薬花譜」を、国立国会図書館蔵のものより、あくまで趣味的に観ていくものです。
出版は、著名な京都園芸店の朝暘園で、明治31年に刊行されました。

奈良期に中国から薬草として日本に伝来した芍薬は、平安期には鑑賞用、江戸期にはその代表的な47の改良品種を収載した増補地錦抄(宝永7年)が刊行されています。
増補地錦抄(国立国会図書館蔵のものより)



その後、世は隆盛の園芸文化期である明治に至ります。
扉の次

序文

図01・日出世界(ひのでせかい)
*意味・日の出の輝く世界。
図02・染鹿子(そめかのこ)
*意味・絞り染めの一種で、布を糸で括って染色し、白い斑点模様を形成する技法。

図03・連城璧(れんじょうのへき)
*意味・世にも珍しい宝物のようである。
図04・大花笠(おおはながさ)
*意味・花笠踊りのような華麗さ。

図05・白珠殿(はくしゅでん)
*意味・白い真珠と知られなくても良いと云う二つの意味をもって。
図06・一天四海(いってんしかい)
*意味・全世界を示す、この美しさ。

図07・月宮殿(げつきゅうでん)
*意味・月にあるとされる幻想的な宮殿。
図08・羅生門(らしょうもん)
*意味・平安京、平城京の南端の中央の正門で都の象徴。

図09・羅綾袂(らりょうのたもと)
*意味・美しい着物の袂のたおやかさ。
図10・湊川(みなとがわ)
*意味・神戸の河川を想起させる清流のすがしさ。

京都の風に吹かれて
立てば芍薬・・・明治期の名品・芍薬花譜 を観る 2 に続きます。

